[100年ぶりの新発見! クマノザクラ苗]
クマノザクラとは、紀伊半島南部、熊野川流域を中心におよそ南北90km、東西60kmの限られた範囲に自生しています。
特に山間部の崖など比較的痩せた土地に多く見られます。
熊野市周辺では個人が所有する畑や雑木林、道路際などでも見かける自生地では慣れ親しまれてきた桜でしたが、少し早めに咲く『ヤマザクラ』であると認識されていました。
勝木俊雄博士(森林総合研究所チーム長)が、本種の他にはない特徴を見抜き、2018年に新しい桜の野生種として登録されました。
自生地では、一般的に有名な栽培品種のソメイヨシノのように4月ごろに開花するのではなく、ヤマザクラよりさらに少し早い、2月中旬ごろから3月に開花します。
生育は、初期はぐんぐん生育しますが、次第に緩やかになり最終樹高15m程度で落ち着きます。
樹形は、枝が細くしなやかで枝垂れ桜ほどは垂れないものの、全体的に柔らかく広がり優しい雰囲気を持っています。
自生している大きな株のほとんどは株立ちになっていることも多く、細く柔らかい枝と相まってとても美しく優しさを感じる姿をしています。
[性質]
・枝が細く柔らかい樹形はとてもやさしい雰囲気を持っている。
・開花時期が早く、自生地では早い個体で2月中旬ごろから咲き始め、3月中旬から下旬にかけて見頃となる。
・葉が開くよりも先に花が咲く。
・樹高は比較的低く、森林の中では15m程度、単木だと8m程度に成長する。
・自生地では単木よりも株立ちが多く見られる。
・花色は白~淡紅色、まれにフレアが入る。
・比較的暑さに強い。
・耐寒性や耐暑性をはじめとする明確な性質は研究中です。
[経緯とお届けするクマノザクラについて]
勝木敏雄博士が、クマノザクラを発見して以来、自生しているクマノザクラを調査したところ、周囲のヤマザクラや人為的に植えられた他の桜との交雑が見られる株の存在が明らかになってきました。
また、近年の日本の近代化による影響で、自生地周辺でもこれらを取り巻く環境が大きくかわりつつあり、純粋な野生種のクマノザクラそのものの減少が危惧されています。
そこで、熊野市周辺では、勝木博士や中村樹木医(木楽Nakamura代表)とともにクマノザクラの植樹が行われ、保全を目的とした紹介キャンペーンが行われております。
野生種のクマノザクラには、他の種類と交雑をしていない株でも、性質には個体差があります。三重県熊野市紀和町長尾にあるクマノザクラの名木「長尾美春桜」から特別に穂木を取って接ぎ木したブランド苗です。
[クマノザクラについて]
4月上旬、新たな出発や出会いを祝い、一斉に咲き誇るサクラの景色は、多くの皆様の人生の一ページに しっかりと刻み込まれていることと思います。これほどまでに私たち日本人が惚れ込み、愛されつづけ、 日本を象徴する花は他にはないでしょう。
そんなサクラにおいて、私たちは大変貴重な’贈り物’を授かることができました。
2018年のことです。
●悠久の時を超えて発見された新種のサクラ「クマノザクラ」
「紀伊半島で新しいサクラの野生種が発見される」
新聞や雑誌の見出しを賑せたのは2018年3月のことです。これが「クマノザクラ」です。
サクラ自体は昔から人の手によって 幾度も育種交配が行われており、園芸品種として、現在でも100種類以上が流通しています。しかし、基本野生種(昔から日本に自生していて その誕生に人の手が関わっていないサクラ)となると その数はごくわずかで、 クマノザクラが発表されるまでは たったの9種※しかありませんでした。しかも、9種目※のオオシマザクラ(1915年発表)が 発表されたのは今から100年以上も前のことだったのです。(※カンヒザクラを日本の野生種としてカウントした場合、 全部で10種類になります。)
このニュースを知って、 業界の有識者、庭木や桜に詳しい趣味家の皆様が、 悠久の浪漫に心を奪われたことは言うまでもありません。
●どうして100年も見つからなかったのか
紀伊半島南部、熊野川流域を中心に およそ南北90km、東西60kmに限られた範囲に 自生しています。
地元では、当たり前のように 生活に密着しているサクラでしたが、
「ここのヤマザクラは、普通よりも早咲きだな~」
という程度。これまでヤマザクラの早咲きのものと 誤認されていたのです。 あまりに身近すぎて、 それが未発見の新種のサクラであることに 気づかなかったといいます。
●クマノザクラ減少の危機
クマノザクラは「二次林」によく見られます。
二次林とは、森林伐採など人間が利用して更地になった後、 再生してできた森林のことです。 しかし、石炭の利用が減少し、 森林伐採が行われなくなった現代においては、 二次林という遷移段階が徐々に失われています。
つまり、クマノザクラの生育できる環境が 少しずつ少なくなっているのです。
●省スペースの庭園や鉢植えにも向く性質
樹高が低く、枝や幹が太くなりにくい性質は、 省スペースの庭園や、鉢植えに向いていると考えられます。
成長速度も比較的遅いため、樹形の管理がしやすく ベランダやお庭の省スペースなどにおいて、 その美しい姿を身近に感じさせてくれることと思います。
●卒業シーズン、新たな門出を祝うシンボルに
クマノザクラは個体差もありますが、 3月中旬から4月上旬にかけて開花します。 早い固体では2月中旬ごろから咲き始めるものもあります。 一方、ヤマザクラは4月中・下旬にかけて開花し、 ソメイヨシノはそれらをまたがるように開花します。
クマノザクラの見ごろは3月中旬から下旬ごろで 卒業シーズンとぴったり重なります。
クマノザクラが持つ、柔らかく、 優しい雰囲気の樹形や花色は、 卒業シーズンの陽光の中で、 卒業生たちの新たな門出を 優しく見送ってくれることでしょう。
[栽培方法]
日当たりがよく、水はけの良い場所に植えつけします。鉢植えの場合は、10号以上の大きな鉢に1本を植えつけます。
水は適時与えますが、露地植えの場合は、植えつけ時と乾燥が極端に激しい時期だけ充分です。
肥料は、春の花後の時期と真冬の寒肥を与えます。
あまり細い枝は、適時剪定をして通気と日当たりを良くしますが、幼木の間の強い剪定は基本的には控えます。
[ご注文と商品に関するご注意]
・ご購入後の株の増殖やそれらの配布はお控えください。
・お届け商品は、配送用に1m程度のサイズで適切な時期に適切な方法で剪定を施した株をお届けします。
・お届け期間中でもお取り寄せ対応となった場合、お届けまでに10日ほどかかる場合がございます。
・開花まで植え付け3年以上必要です。
- 商品は基本的に①植物の種類、②鉢サイズ(号数)を規格としてお届けしております。仕入れ時期や仕入れ生産者の違いにより、 株姿、鉢の色、鉢の種類、ラベルの種類などが商品画像のイメージと変わることがございます。
- お届け時期によっては葉の色、株の状態などが写真と異なる場合がございます。
- 配送サイズに合わせて適時剪定をほどこす場合がございます。
- 生育の過程や配送時の衝撃などで多少の傷・傷みが入る場合がございます。
- 「受け皿」について、商品名および商品情報に明記されていない場合は付属しません。
- 入荷状況によってお届けに時間がかかる場合がございます。
- 商品は複数の店舗間で在庫を共有しております。 ご注文のタイミングによっては、商品をご用意できない場合がございます。 その際は、Eメールでお知らせし、キャンセルとさせていただきます。何卒ご了承くださいませ。
- お使いのディスプレイの設定によって、色合いなど実物と異なる場合がございます。ご了承の上、お買い求めください。
●【現品お届け/一点物】の表記がある
- 写真の商品をお届けします。一点物のため、商品の代替えをご用意することはできかねます。充分にご検討の上ご注文ください。
●【現品お届け/一点物】の表記がない
- 撮影日等の記載があっても、画像は一例であり、商品イメージになります。スタッフの見計らいで、在庫の中から、できる限り良品を選んでお届けいたします。
- 発送時期によって、実やつぼみの状態は変わることがございます。
- 生育の過程や配送時の衝撃などで落下してしまうことや、多少の傷・傷みが入る場合がございます。
同じタイミングで発送できる商品は、できる限り梱包をまとめてお届け! ※北海道は1梱包あたり2190円、沖縄は1梱包あたり4190円
↑このマークの商品は、送料を商品代金とは別に頂戴いたしません※北海道は+1000円、沖縄は+3000円別途送料がかかります